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2025年CBN規制事件 - 更年期・PMSの緩和が違法になる日

カテゴリ: 法規制・行政

公開日: 2025/12/01
更新日: 2025/12/15 03:28

2025年CBN規制事件 - 更年期・PMSの緩和が違法になる日

更年期の不眠、PMSの痛み。やっと見つけた「自分に合う方法」が奪われようとしています


2025年12月28日。この日付は、多くの女性たちにとって、自分の健康を守る最後の機会かもしれません。厚生労働省がCBN(カンナビノール)を指定薬物として規制する方針を進めており、パブリックコメントの締め切りが迫っています

更年期の不眠やイライラ、PMSの痛みに悩む女性たちが、長年探し求めてきた緩和方法を失おうとしています。この記事では、CBN規制の背景、最新の科学的エビデンス、海外専門家の見解、そして私たちにできることを網羅的にお伝えします。

目次

  1. CBNとは何か。更年期・PMS症状への科学的根拠
  2. 2025年規制の経緯と問題点
  3. 最新研究、世界の科学者が明らかにしたCBNの効果
  4. 当事者の声、失われる選択肢
  5. 海外専門家が語るハームリダクション
  6. 私たちにできること:パブコメ提出ガイド

CBNとは何か。更年期・PMS症状への科学的根拠

CBN(カンナビノール)の基本

CBN(Cannabinol)は、大麻植物に含まれる100種類以上のカンナビノイドの一つです。THCが時間の経過や光への暴露によって分解されることで生成される化合物で、THCの約25%程度の精神作用しかない穏やかな成分です。

成分 精神作用 主な用途 法的地位(日本)
CBN 軽度(THCの約25%) 睡眠改善、痛み緩和 規制予定
CBD ほぼなし 抗不安、抗炎症 合法
THC 強い 医療用・嗜好用 違法

なぜ更年期・PMS症状に注目されたのか

更年期やPMSの症状には、以下のような共通点があります。

  • 睡眠障害(入眠困難、中途覚醒)
  • 気分の変動(イライラ、不安)
  • 身体的痛み(頭痛、関節痛)
  • ホルモンバランスの乱れ

CBNはこれらの症状に対して、エンドカンナビノイドシステム(ECS)を通じて作用します。ECSは、睡眠、痛み、気分、ホルモンバランスなど、女性の健康に深く関わる身体システムです。

ホルモン療法が合わない女性たちの選択肢

ホルモン補充療法(HRT)は更年期症状の標準的治療ですが、以下のような理由で使えない女性も多くいます。

  • がんリスクの高い女性
  • 心疾患や血栓症のリスクがある女性
  • 肝疾患を持つ女性
  • HRTの副作用に耐えられない女性

こうした女性たちにとって、CBNは数少ない代替選択肢の一つでした。


2025年CBN規制の経緯と問題点

CBN規制検討の背景にある市場の問題

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CBN規制が検討される背景には、成分そのものの危険性だけでなく、日本国内の市場形成で生じた問題があります。

本来、国内の麻薬である大麻由来成分であるカンナビノイド製品は慎重な情報提供と配慮が必要です。しかし一部の業者は、短期的な利益を優先し、若年層に向けて「ヒップホップ文化」などのイメージだけを強調。使用上のリスクや前提条件を十分に説明しないまま販売する手法が問題視されています。

こうした問題を拡大させたのが、楽天市場やAmazonなどの大手ECモールです。対面での説明や購入動機の確認がないまま、商品が大量に流通する構造が、若年者による誤用や過剰摂取のリスクを高めています。

また、業界団体である日本カンナビノイド関連団体連盟(JCF)の対応にも疑問が残ります。市場拡大を優先し、問題のある販売手法を是正できなかったことで、社会的信頼を損なう結果となりました。

一方で、JCFはChange.orgで署名活動を展開。その目的は「規制解除」ではなく、「官民協議の場」を通じて安全な市場を作るための対話を始めることにあります。

また、CBD議連を通じた働きかけも行われていますが、検討中の法案内容は十分に公開されておらず、制度設計の透明性に課題が残ります。

重要なのは、規制の是非を感情的に論じるのではなく、どのような販売行為が問題を引き起こしたのかを冷静に検証することです。行政批判だけでは、同じ問題が繰り返される可能性があります。

CBN規制の経緯と不透明な行政対応

2025年5月、CBNを含むクッキーを食べた学生が飛び降りて重傷を負う事故が発生。これを受け、厚生労働省は10月28日にCBNを指定薬物とすることが適当と答申しました。

しかし、この規制運用には重大な問題があります。

項目 内容
因果関係 厚労相自身が「証明は困難」と発言
科学的根拠 事故とCBNの直接的関連は不明確
規制の範囲 微量のCBNを含むCBD製品にも影響
当事者の声 パブコメで反映されるか不透明

厚労省は「意見の多寡ではなく内容に着目する」との見解を示しましたが、科学的根拠の透明性拙速な規制への懸念が事業者・使用者双方から上がっています。

CBN規制がもたらす市民への影響

  1. CBN製品の全面禁止
  2. 微量のCBNを含むCBD製品への影響
  3. 合法的に使用していた人々の選択肢の喪失
  4. 研究の停滞
  5. 行政への不信感の増大

説明不備がもたらす「行政不信」の深刻化

今回のCBN規制において、最も懸念されるのは行政に対する信頼の喪失です。以下の点で、説明責任が果たされていません。

問題点 具体的な課題 市民への影響
因果関係の不透明性 厚労相自身が「証明は困難」と認めながら規制を推進 科学的根拠への疑念
エビデンスの欠如 事故とCBNの直接的関連を示すデータの不提示 「感情的判断では?」という不信
代替案の検討不足 年齢制限や用量規制など段階的対応の議論なし 「拙速で一方的」との印象
当事者の声の軽視 合法的使用者への影響調査が不十分 「私たちは無視されている」
国際基準との乖離 海外の最新研究や専門家見解の考慮不足 「日本だけ遅れている」

なぜ行政不信が問題なのか

行政不信は社会全体に悪影響を及ぼします。

  • 今後の健康政策への協力低下:「どうせ市民の声は届かない」という諦め
  • 地下市場の拡大リスク:規制を信頼できない人々が違法ルートへ
  • 医療アクセスの格差拡大:情報や資金のある層だけが海外から入手
  • 科学的議論の停滞:「どうせ決まっている」という無力感
  • パブコメ制度の形骸化:「意見を出しても無駄」という認識の定着

海外専門家が指摘する「説明責任の重要性」

Drug Policy Allianceの2025年レポートでは、薬物政策における透明性と説明責任の重要性が強調されています。

「効果的な薬物政策には、科学的根拠に基づく意思決定、利害関係者の関与、そして明確な説明責任のメカニズムが不可欠である」

Drug Policy Alliance

National Academies of Sciencesも、政策立案における以下の原則を提示

  1. エビデンスの透明な開示
  2. 多様な利害関係者との対話
  3. 段階的アプローチの検討
  4. 政策評価の継続的実施

「説明責任」が果たされていない具体例

事故報告書の非公開

  • 事故の詳細(摂取量、製品情報、他の要因)が不明
  • 「CBNが原因」とする科学的分析結果の未公開
  • 因果関係を検証できない状態での規制決定

代替案の議論不足

  • 年齢制限(18歳未満への販売禁止)の検討なし
  • 用量規制(高濃度製品のみ規制)の検討なし
  • 表示義務強化(リスク情報の明記)の検討なし

影響調査の欠如

  • 現在の合法的使用者数の把握なし
  • 医療目的での使用実態の調査なし
  • 規制による健康影響の予測なし

【規制影響評価(RIA)の不実施】

総務省「規制の政策評価の実施に関するガイドライン」(令和6年3月15日一部改正)では、規制の新設または改廃を行う場合、規制による影響(費用)や得られる効果(便益)、代替手段の有無等について、事前及び事後に分析を行うことが求められています。

しかし、今回のCBN規制において、以下の基本的な調査・分析が実施されていません:

  • 使用者数の推計:日本のCBD市場は2024年に約244億円規模に達し、約53万人の利用者がいると推定されていますが(Euromonitor International, 2024)、CBN製品の使用者数や使用実態の調査は行われていません
  • 医療目的使用の実態:更年期症状やPMS症状の緩和目的での使用者がどの程度いるのか、データ収集なし
  • 規制の費用便益分析:規制により失われる選択肢と、得られる安全性のバランスが客観的に分析されていない
  • 代替手段の検討:年齢制限、用量規制、表示義務強化など段階的アプローチの比較検討なし
総務省「政策評価に関する法令、基本方針、ガイドライン等」Euromonitor International「2024年の日本における大麻市場の変遷と法規制の影響」(2024年1月)

【参考:薬物使用実態調査の重要性】

国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部では、厚生労働科学研究として「薬物乱用・依存状況の実態把握のための全国調査」を継続的に実施しています(研究代表者:嶋根卓也)。

この調査では、違法薬物の使用実態を科学的に把握し、政策立案の基礎データとしています。令和5年度調査では、大麻の生涯経験者数約134万人、過去1年以内の使用者約20万人などの推計が示されています。

同様の科学的アプローチが、合法的に使用されているCBN製品についても必要ですが、今回の規制プロセスにおいては実施されていません。

国立精神・神経医療研究センター「薬物使用に関する全国住民調査」(令和5年度)

建設的な対話を求める声

重要なのは、「規制反対」だけでなく「科学的で透明な議論」を求めることです。

行政機関が規制を新設する際には、法令により以下が義務付けられています。

  • 規制の目的、内容及び必要性を明らかにすること
  • 公正・客観的なデータや情報に基づいて評価を実施すること
  • 規制による影響(費用)や得られる効果(便益)を分析すること
  • 代替手段の有無を検討すること
行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令(平成13年政令第323号)、平成19年10月1日改正施行

建設的な対話を求める声

重要なのは、「規制反対」だけでなく「科学的で透明な議論」を求めることです。

行政機関が規制を新設する際には、法令により以下が義務付けられています。

  • 規制の目的、内容及び必要性を明らかにすること
  • 公正・客観的なデータや情報に基づいて評価を実施すること
  • 規制による影響(費用)や得られる効果(便益)を分析すること
  • 代替手段の有無を検討すること
行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令(平成13年政令第323号)、平成19年10月1日改正施行

市民が求めているもの

  • 科学的根拠の開示:なぜCBNが危険なのか、データで示して
  • 当事者との対話:使用している人々の声を聞いて
  • 専門家の参画:医学・薬学の専門家による客観的評価を
  • 段階的アプローチ:いきなり全面禁止ではなく、段階的な対応を
  • 説明責任:決定プロセスを明確に説明して

これらが満たされないまま規制が進めば、CBN問題だけでなく、今後のあらゆる健康政策に対する市民の信頼が損なわれます


最新研究、世界の科学者が明らかにしたCBNの効果

シドニー大学の画期的研究(2024年11月)

Lambert Initiative for Cannabinoid Therapeuticsの研究チームが、Neuropsychopharmacology誌に発表した研究は、世界初の客観的測定によるCBNの睡眠改善効果を実証しました。

「何十年もの間、古い大麻がCBNの蓄積により眠気を誘うという言い伝えがありましたが、説得力のある証拠はありませんでした。私たちの研究は、CBNが睡眠を改善するという初めての客観的証拠を提供します」

研究責任者Professor Jonathon Arnold

主な研究結果

研究項目 結果
NREM睡眠(深い睡眠) 有意に増加
REM睡眠(夢を見る睡眠) 有意に増加
総睡眠時間 増加
比較対象 ゾルピデム(睡眠薬)と同等の効果
精神作用 THCと異なり、陶酔作用なし

人間を対象とした臨床試験(2024年6月)

Marcel O. Bonn-Miller博士率いる研究チームがExperimental and Clinical Psychopharmacology誌に発表した二重盲検プラセボ対照試験(N=293)では。

  • 20mg CBN投与群:夜間の覚醒回数が有意に減少
  • 睡眠障害全体:プラセボと比較して有意に改善
  • 日中の疲労:影響なし
  • CBDとの併用:追加効果なし

重要な発見:CBN単独20mgが最も効果的で、副作用は軽微(軽度の頭痛のみ)。

メラトニンとの比較研究(2024年4月)

Oxford Academic(SLEEP誌)に発表された研究

投与量 睡眠改善効果 副作用
CBN 50mg メラトニン4mgと同等以上 軽度~中等度のみ
CBN 25mg プラセボより有意に改善 軽度~中等度のみ
CBN 100mg プラセボより有意に改善 軽度~中等度のみ
メラトニン 4mg プラセボより有意に改善 軽度~中等度のみ

研究者の結論:「CBNはメラトニンの副作用や、子どもが推奨量を超えて摂取する懸念を考えると、特に有望」


当事者の声、失われる選択肢

更年期症状でCBNを使用していた女性たちの証言

Aさん(52歳、会社員) 「ホルモン療法は胸の張りと吐き気がひどく続けられませんでした。CBNを使い始めてから、毎晩3-4回起きていたのが、ほぼ朝まで眠れるようになりました。仕事のパフォーマンスも回復しました。これがなくなったら、また元の生活に戻ってしまう……」

Bさん(48歳、看護師) 「夜勤もある仕事なので、睡眠の質は死活問題です。睡眠薬は翌日に残るし、依存性も怖い。CBNは自然な眠りで目覚めもスッキリ。やっと見つけた自分に合う方法なのに

PMSでCBNを利用していた女性たちの声

Cさん(35歳、デザイナー) 「生理前の2週間、頭痛と腰痛がひどく、鎮痛剤を1日3回飲んでいました。CBNを使い始めてから痛みが和らぎ、薬の量を減らせました。痛み止めの長期使用のリスクを考えると、CBNは貴重な選択肢でした」


海外専門家が語るハームリダクション

National Academies of Sciences の見解

2024年11月に発表された包括的報告書「Cannabis Policy Impacts Public Health and Health Equity」では、ハームリダクションアプローチの重要性が強調されています。

「ハームリダクションとは、薬物使用や他の行動に関連する個人および社会への健康・安全リスクを減少させる一連のアプローチである。政策開発は、大麻使用の潜在的な害を最小化し、健康の公平性を促進するために極めて重要である」

Cannabis Policy Impacts Public Health and Health Equity

Drug Policy Allianceの提言

2025年7月に発表されたレポート「State Level Marijuana Reform: Lessons Learned and Ongoing Challenges」

重要な原則

  1. 消費者教育を中心に据える
  2. 若者など脆弱な層を対象とした製品デザインを規制
  3. 製品ラベルには効力と健康警告を明記
  4. ハームリダクションを促進し、治療オプションを拡大

Doctors for Drug Policy Reform(D4DPR)の立場

医療専門家の国際的組織D4DPRは、エビデンスに基づく薬物政策を提唱しています。

D4DPRの目標

  • 健康とウェルネスの最大化
  • ハームリダクション
  • 大麻とサイケデリックの合法化
  • 公衆衛生、人権、社会正義の向上

元米国公衆衛生局長官Joycelyn Eldersらは、American Journal of Public Healthで「The Physicians' Case for Marijuana Legalization」を発表し、禁止政策が公衆衛生に与える害の方が大きいと主張しています。

カナダの Lower-Risk Cannabis Use Guidelines

カナダの研究者たちが開発した「Lower-Risk Cannabis Use Guidelines(LRCUG)」では、以下の修正可能なリスク要因が特定されています。

リスク要因 推奨される対策
使用開始年齢 青年期以降まで遅らせる
THC含有量 高濃度THC製品を避ける
使用頻度 高頻度・高強度の使用を避ける
投与経路 喫煙を避ける

重要な点、CBNは精神作用が軽微であり、これらのリスク要因の多くに該当しません。


私たちにできること、パブコメ提出ガイド

パブリックコメントとは

パブリックコメント(意見公募)は、国民が政策決定に参加できる重要な制度です。提出された意見は、省令や通達の決定において考慮されます。

締切と提出方法

締切:2025年12月28日(土)まで

提出先URLhttps://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=%20495250249&Mode=0

効果的なパブコメの書き方

実体験を具体的に記述

良い例: 「私は48歳の会社員で、更年期症状による不眠に3年間悩まされてきました。ホルモン療法は副作用で継続できず、睡眠薬は依存性が心配でした。CBNを使用してから睡眠の質が改善し、仕事のパフォーマンスも回復しました。この規制により、私のような立場の女性から選択肢が奪われることを懸念しています」

科学的根拠を引用

引用すべきポイント

  • シドニー大学の研究(2024年11月)
  • 二重盲検プラセボ対照試験(2024年6月)
  • 海外の専門家団体の見解

代替案を提示

  • 年齢制限付き販売
  • 用量規制
  • 品質管理の強化
  • 使用者教育の充実

規制の影響を指摘

  • CBD製品への影響
  • 合法的使用者の権利侵害
  • 研究開発の停滞
  • ハームリダクションの観点の欠如

パブコメテンプレート



厚生労働大臣 殿

私は[年齢]歳の[職業]です。今回のCBN規制案について、法哲学における正義論、および現代行政倫理の観点から、深刻な懸念を表明いたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 1. 私の状況と、失われようとしているもの
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私は[更年期症状/PMS]により、以下の症状に長年苦しんできました。
- [具体的症状:不眠、痛み、イライラなど]
- [日常生活への影響]

ホルモン補充療法は[副作用/既往症]により使用できず、睡眠薬は[依存性への懸念/副作用]から避けてきました。CBNは、私にとって数少ない選択肢の一つでした。

使用後、[具体的な改善内容]となり、[仕事/家族生活/社会参加]が可能になりました。これは単なる「便利な商品」ではなく、私の人間らしい生活を支える基盤です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 2. ロールズの正義論から見た本規制の問題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

現代正義論の基礎を築いたジョン・ロールズは、「公正としての正義」において、社会制度を評価する際の重要な原理を提示しました。その核心は「無知のベール」という思考実験です。

もし政策立案者の皆様が、自分が誰か(健康な人か、持病がある人か、ホルモン療法が使える人か使えない人か)を知らない状態で政策を決めるとしたら、どのような判断をされるでしょうか。

ロールズの格差原理は明確です。「社会的・経済的不平等は、最も不利な立場にある人々の状況を改善する場合にのみ許容される」

本規制は、この原理に真っ向から反します。
- ホルモン療法が使えない女性たち
- 睡眠薬が合わない人々
- 既存の治療法にアクセスできない人々

私たちこそが「最も不利な立場」にいる当事者です。 本規制は、私たちの状況を改善するどころか、最後の選択肢を奪います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 3. 行政倫理における「説明責任」の本質
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「説明責任(Accountability)」は、単に「説明すれば終わり」ではありません。これは日本特有の誤訳です(岡芳明・東京大学名誉教授、2024)。

本来の意味は「結果に対する責任」です。つまり、なぜその判断をしたのか。その判断が市民にどのような影響を与えるか。判断を正当化する根拠は十分か。その結果に責任を持てるか。

今回の規制において、以下の点で説明責任が果たされていません。

【科学的根拠の不透明性】
- 事故とCBNの因果関係:厚労相自身が「証明は困難」と認めている
- 事故の詳細データ(摂取量、製品情報、他の要因):非公開
- 科学的分析結果:提示なし

これで「結果に対する責任」を負えるのでしょうか。

【代替案の検討不足】
海外では以下のような段階的アプローチが検討されています。
- 年齢制限(18歳未満への販売禁止)
- 用量規制(高濃度製品のみ規制)
- 表示義務強化(リスク情報の明記)
- 消費者教育の充実

なぜ日本では、いきなり全面禁止なのでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 4. 行政手続法が求める「公正」と「透明性」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

行政手続法第1条は明確に定めています。
「行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に資することを目的とする」
本規制プロセスは、この法の精神に反しています。

【公正性の欠如】
- 当事者(合法的使用者)への影響調査:実施されず
- 医療専門家・薬学専門家の意見聴取:不十分
- 利害関係者との対話:形式的

【透明性の欠如】
- 規制判断の科学的根拠:不明確
- 代替案の検討過程:非公開
- 影響評価(どれだけの人が影響を受けるか):なし

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 5. 最も恵まれない人々への配慮という道徳的義務
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私たち更年期・PMS症状に苦しむ女性の多くは。
- 既存の治療法が使えない
- 経済的に高価な代替療法にアクセスできない
- 症状のために社会参加が制限されている

ロールズの言葉を借りれば、私たちは「社会の中で最も不利な立場にある人々」です。

行政には、功利主義的に「多数の安全」だけを考えるのではなく、最も弱い立場にある人々を守る義務があります。

本規制は、一つの事故(因果関係不明)を理由に、何千人もの合法的使用者から選択肢を奪います。これは正義に適っているでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 6. 私が求めること
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規制そのものに反対しているのではありません。適切な規制は必要です。

しかし、以下を求めます。

【1】科学的根拠の完全な開示
- 事故とCBNの因果関係を示すデータ
- リスク評価の詳細
- 海外研究のレビュー結果

【2】段階的アプローチの検討
- 年齢制限、用量規制、表示義務などの代替案
- 研究継続の余地
- 医療目的使用の例外措置

【3】当事者との対話
- 合法的使用者の実態調査
- 医療専門家・薬学専門家の参画
- 影響を受ける人々の声を聞く場

【4】透明な意思決定プロセス
- 判断根拠の明示
- 検討過程の公開
- 結果に対する責任の明確化

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 7. 最後に、厚生労働省の皆様の皆様へ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

皆様も、いつか「最も不利な立場」に立つかもしれません。
- ご自身やご家族が、標準治療が効かない病気に苦しむかもしれません
- 既存の選択肢がすべて使えない状況に陥るかもしれません
- やっと見つけた「自分に合う方法」が、ある日突然奪われるかもしれません

「無知のベール」を被って、もう一度考えてみてください。

この規制が、本当に「公正」で「正義に適った」ものなのか。
最も弱い立場にある人々を、さらに追い詰めることにならないか。

行政手続法が求める「公正の確保」と「透明性の向上」、そしてロールズの正義論が示す「最も不利な立場にある人々への配慮」。

これらは理念ではなく、行政が果たすべき道徳的義務です。

本パブリックコメントを通じて、皆様の良心に訴えます。
拙速な規制ではなく、科学的根拠に基づいた、透明で公正な、そして最も弱い立場にある人々を守る政策決定を、心から求めます。

私たちの声が、真摯に検討されることを信じています。

令和6年12月[日付]
[氏名]
[連絡先](任意)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
参考文献:
- John Rawls『正義論』(1971)
- 岡芳明「日本には行政の結果に対する責任を問う仕組みがない」(2024)
- 行政手続法(平成5年法律第88号)
- Arnold, J. et al. "A sleepy cannabis constituent: cannabinol", Neuropsychopharmacology (2024)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まとめ、声を上げることの重要性

科学的エビデンスは明確です。2024年に発表された複数の査読付き研究が、CBNの睡眠改善効果と安全性を実証しています。海外の専門家団体も、ハームリダクションに基づく政策の重要性を強調しています。

しかし、日本では因果関係が不明確なまま、規制が進められようとしています

更年期・PMS症状に悩む女性たちにとって、CBNは数少ない代替選択肢です。ホルモン療法が使えない、睡眠薬の副作用が心配、鎮痛剤の長期使用を避けたい。そんな女性たちの声が、今、聞かれようとしています。

2025年12月28日(日)までに、あなたの声を届けてください

パブリックコメントは、私たちが政策決定に参加できる貴重な機会です。一人ひとりの実体験と科学的根拠に基づく意見が、より良い政策を作ります。

女性の健康の選択肢を守るために、今、行動を


参考資料・リソース

参考資料

  1. Arnold, J. et al. (2024) "A sleepy cannabis constituent: cannabinol and its active metabolite influence sleep architecture in rats", Neuropsychopharmacology
  2. Bonn-Miller, M.O. et al. (2024) "A double-blind, randomized, placebo-controlled study of the safety and effects of CBN with and without CBD on sleep quality", Experimental and Clinical Psychopharmacology
  3. National Academies of Sciences (2024) "Cannabis Policy Impacts Public Health and Health Equity"
  4. Drug Policy Alliance (2025) "State Level Marijuana Reform: Lessons Learned and Ongoing Challenges"

カバーイメージ

  1. Photo by Slumber Sleep Aid on Unsplash

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当ディスペンサリーストアの熟練店長。これまで20年以上のカンナビノイドの旅に情熱を注いできた。スイス産に傾倒していたが、最近は合成大麻の魅力に引き込まれ、究極のレシピを模索中。
さらに、大麻およびサイケデリックの私的使用合法化を目指す社会運動にも積極的に参加し、科学的根拠と人権の両面から啓発活動を続けている。

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